必要な道具と詳しいやり方

丸シール貼りは、道具と手順次第で子供が自分で選び自分で考えながら実行できる構造を取り入れることができます。

つまり、とりかかりやすくなるための工夫を大人が行い、効果的に子供の力を引き伸ばすことで、子供の成長に寄り添うことができる活動となります。

丸シール貼りをはじめよう♪

丸シール貼りの目標
  • 意識するポイントを押さえ、基本となる指先の使い方を身に着ける。
  • 基本となる技術を繰り返して育み、その段階で完成した技術を土台に、次のより高度な段階に進んでいく。

準備するもの

必要な道具は以下の5つです。

必要な道具
  • 丸シール
  • 丸シールを色ごとに分けていれるための容器
  • シールを貼る台紙
  • 剥離紙を入れる容器
  • 丸シール貼りの活動を行うための道具をまとめておけるトレー

丸シール貼りを行うために用意する道具は、決して高価なものは必要ありません。
お家にあるもので好きな時に始められるところが、この活動のすてきなところです。

当サイトで紹介している道具と全く同じものでなくてもお家にあるもので代用し、気軽に取り組んでみましょう♪

ただし以下の2つの点を留意することが大切です。

準備する道具のポイント
  • 子供が正確にすることができる。
  • 子供が繰り返しすることができる。

子供は正確さを意識して動くことに興味があります。目的にかなう秩序のある動き方を知りたいのです。

そして子供の機能の完成には、一回だけの経験ではなく繰り返し何度も同じことをやり抜くことが必要です。

大人はこれらのポイントを押さえ、子供にとって手ごろな大きさや重さで、同じことを心ゆくまで繰り返し全力でやり通せる道具を準備していきましょう。

そしてそれらは常に一定ではなく、発達の段階に対応した動作や技術を身に着けることができるように配慮し、整備し続けることが必要です。

丸シール

【丸シール】
(上段左)20mm
(上段右)15mm
(下段)8mm

ニチバン株式会社の「マイタックカラーラベル」やコクヨS&T株式会社の「タックタイトル」、100円ショップの丸シールも1つのシートに複数色入っていて魅力的です。

子供が自分の意思で活動を行う際の取り掛かりやすくなるポイントは、基本の段階では同じマークのものや同じ形に揃えることです。

その点でこの活動に使う丸シールは、効果的に子供の力を引き伸ばすためにとても順応しています。

そして、身体にぴったりあった(子供の指でつまみやすい)サイズにすることが大切です。
自分の意思で手を使い始める2~3歳にとって、20mm・15mm・8mmは、意識しながら指先を動かすために適したサイズです。

また、丸シールは様々な色が売られていますが、シートごと使うのではなく適切な量にはさみで切り離し、色ごとに分けておきます。
理由については次の「丸シールを色ごとに分けていれるための容器」の項目で説明します。

丸シールを色ごとに分けていれるための容器

【丸シールを入れた容器】
丸シールを色ごとに分けて入れています

子供が繰り返し自分で考えながらシール貼りの作業を実行できるように、丸シールを選ぶことができる環境を準備します。

子供が自分の意思で色を選択できるように、シールを適切な量にはさみで切ったものを容器に分けていれておきます。
自由に選べる状況に置かれた子供は、自分で選んだものに対し、粘り強さを発揮します。

そして、丸シールをシートごとではなくはさみで適切な量に切り離しておく理由は、教材の量を制限しておくためです。
シートごと手渡すと、子供はシートにあるシールをすべて貼りきることに意識を注いでしまいます。

適切な量とは、活動の初期段階では剥離紙からシールを剥がす作業に集中するために1枚ずつに切り分け、次第に8mmのものだと2~4枚くらいに切り分けると子供が様々な色を楽しんで使えます。

準備する容器は、子供が指でつまんでとりやすい深さのものが良いです。


私が使用している無印良品のポリプロピレンケース(写真)は蓋つきの容器なので保管がしやすく、子供が作業を始めたいときにはすぐに取りかかることができます。

【無印良品のポリプロピレンケース】

仕切りも自由に位置を変えることができるので、様々な大きさのシールに対応できます♪

【仕切りの位置を変えてシールのサイズに対応】
仕切りの位置を変え、15mmの丸シールを入れています

丸シールを貼る台紙

【丸シール貼り台紙】

あらかじめシールと同じサイズの丸い枠が描かれている台紙を準備します。

台紙の絵は、不要なデザインがなく目的の動作がよくできるものにします。
デザインに注目がいくと、子供の興味が拡散して深い作業をしなくなるためです。

A4サイズにプリントアウトして使ってね♪

剥離紙を入れる容器

【シールを剥がした後の剥離紙を入れた容器】
子供の手で持ち運びやすいサイズで丁寧に扱うことを目的に、ガラスの小皿を使っています

シールを剥がした後の剥離紙を入れる容器です。

モンテッソーリ教育の活動では、作業近くに小皿など容器を用意しておき、ゴミを集める場所を決めておく習慣を身につけます。

そして作業が終わったら、自分で容器をもってゴミをゴミ箱へ捨てに行きます。
(手首をしっかりと返しながら容器からゴミ箱に移す)

丸シール貼りの活動を行うための道具をまとめておけるトレー

【木製のトレー】

子供が自分の意思で「自分でやりたい!」と思ったときに、いつでもひとりでできるようにセットしておきます。
繰り返し自分で活動ができるように、トレーに必要な道具をまとめておきます。

そして、トレーは決まった場所においておくことが大切です。
(子供が自分で取ってしまえる場所)

丸シール貼りの進め方

子供が活動を始める前に

まず、やり方を正しく丁寧にゆっくりと大人が子供に示すことが大切です。

なぜなら、子供は自立のために動き方を自分のものにする方法を知りたがっているからです。
そのため、どう動けばよいかを大人が正確に示すことが大切です。

そして、活動の初期段階は上手くシールが剥離紙から剝がれなかったり、枠に合わせることができず子供が後ろ向きな気持ちになってしまっても、子供の「やりたい」という思いをわかってあげることが手助けの第一歩です。

やり方を示す際のポイント
  • 動きで見せる。
    (動きの観察に集中させるため、ことばは最小限に)
  • ゆっくり正確に見せる。

やり方を示すには、正確に実行するように促すことがこつです。なぜなら、正確さそのものが子供の興味をそそるからです。

さらには、正確にすること自体が努力を持続させる支えとなり、「もっと正確にしよう」という自発的な行為を導いていくのです。

丸シール貼りの手順

 1.自分で色を選択しながら、容器から丸シールを取る。

 2.剥離紙を片方の手でしっかりと支え、もう片方の手の親指と人差し指を使って剥離紙から丸シールを剥がす。

活動の初期段階では、剥離紙の端を折り曲げて置く手助けを行うと、子供がスムーズに丸シールをつまむことができます。

 3.丸シールをつまんでいる親指と人差し指の指先に意識を集中させ、台紙の丸い枠に合わせてゆっくりと貼る。

 4.丸シールを剥がした後の剥離紙を作業の近くに置いてある容器に入れる。

 5.作業が終わったら、丸シールを剥がした後の剥離紙を集めた容器の中身をゴミ箱に捨てる。

「良い状態」で終わることは、次への意欲に繋がるね

【丸シールを貼り終えた】

丸シール貼りの活動は、子供が好きな色を自分で選び、好きな場所の枠から貼っていきます。

繰り返し励むことで次第に枠に合わせてぴったりと貼ることができるようになります。

そして、やがては自分で色の順序や組み合わせに工夫をこらして造形していくことができるようになります。

【丸シール貼りのあとは】
ぬりえもして楽しみました!